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現代社会の「言えないコトバ」に共感!益田ミリのコミックエッセイ【読書感想文】

漫画家・エッセイストとして活躍する益田ミリさんによるエッセイ漫画「言えないコトバ」は、2012年に集英社より単行本、2017年に文庫本が出版されました。本書は、日常の何気ない会話や出来事を通して、現代社会に生きる私たちが抱える葛藤やユーモアを軽快なタッチで描いた作品です。

言えないコトバ (集英社文庫)

共感必至!現代社会の「言えないコトバ」

本書で取り上げられている「言えないコトバ」は、決してネガティブな言葉ばかりではありません。「おひや(水)」、「彼氏」、「チャリ」、「元気だけが取り柄です」など、一見些細な言葉のように思えますが、その裏には、私たちが抱える様々な思いや葛藤が隠されています。

例えば、「おひや」という言葉を言いにくいのは、それが「貧乏くさい」というイメージと結びついているからです。しかし、実際には暑い夏に冷たい水ほど美味しいものはありません。本書では、このような「言えないコトバ」の背景にある社会的な風潮や価値観をユーモラスに描きながら、私たちに考えさせられます。

現代社会における「言えないコトバ」の重要性

現代社会は、情報化社会と呼ばれるように、様々な情報が溢れています。その一方で、私たちは常に「空気を読む」ことを求められ、自分の本音を言いづらい状況に置かれていると感じることがあります。

本書に登場する「言えないコトバ」は、そのような現代社会におけるコミュニケーションの難しさや葛藤を象徴していると言えるでしょう。しかし同時に、本書は、そのような状況の中でこそ、あえて「言えないコトバ」を口にすることの大切さも教えてくれます。

ユーモアと共感が織りなす温かい作品

益田ミリさんのエッセイ漫画は、ユーモアと共感が絶妙なバランスで織り込まれている点が特徴です。「言えないコトバ」も例外ではなく、思わずクスッと笑ってしまうようなエピソードと、共感を呼ぶような深いメッセージが込められています。

本書を読んだ読者は、きっと自分自身の「言えないコトバ」に気づかされることでしょう。そして、そのような「言えないコトバ」を大切にし、自分らしく生きる勇気をもらえるはずです。

まとめ

益田ミリのエッセイ漫画「言えないコトバ」は、現代社会に生きる私たちが抱える葛藤やユーモアを軽快なタッチで描いた作品です。本書は、現代社会における「言えないコトバ」の重要性について考えさせられるとともに、自分らしく生きる勇気をもらえる温かい作品です。