益田ミリのエッセイ漫画「言えないコトバ」は、現代社会に生きる私たちが抱える葛藤やユーモアを軽快なタッチで描いた作品です。本書の魅力と、現代社会における「言えないコトバ」の重要性についてご紹介します。
宇宙の広がりは、私たちの心の中にも反映されています。谷川俊太郎さんの「二十億光年の孤独」を読み終えたとき、私は自分自身が宇宙の一部であることを強く感じました。この小説は、宇宙の壮大さと、それに対する人間のちっぽけな存在を描きながら、私たち…
歴史の表舞台には登場しない、女たちの視点から家康を描く 植松三十里さんの小説「家康を愛した女たち」は、徳川家康の人生に関わった女性たちの視点から物語を描いた作品です。 個性豊かな女性たちの視点 本書に登場するのは、家康の祖母である華陽院、母で…
吉川永青著『家康が最も恐れた男たち』を読了しました。本書は、徳川家康が天下統一を成し遂げる過程で出会った八人の男たちをテーマにした連作短編集です。 家康といえば、冷静沈着で計算高いイメージが強い人物です。しかし、本書では、そんな家康が「恐怖…
古川真人さんの「背高泡立草」は、第162回芥川賞を受賞した作品です。この作品は、長崎の島にある母の実家の納屋の草刈りに行った主人公が、家族や島の人々から聞いた様々な物語を通して、自分のルーツや記憶について考えるという内容です。この作品の魅力は…
浅田次郎さんの「終わらざる夏〈上〉」は、戦争の矛盾と人間の尊厳を描く渾身の長編です。 主人公の片岡直哉は、妻と息子とアメリカへ移住する夢を抱いていた翻訳出版社の編集長ですが、戦況が悪化する中、45歳で臨時召集されてしまいます。彼は、歴戦の兵・…
今回は、西條奈加さんの『九十九藤』について感想を書きたいと思います。この本は、江戸時代の口入屋(人材派遣業)を舞台にした、仕事と恋の物語です。主人公のお藤は、女ながらに口入屋の差配となり、新しい商法で店を立て直していきます。そこに、かつて…