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桜木紫乃「家族じまい」を読んで考えたこと~家族の絆と別れの意味~【読書感想文】

「家族じまい」という言葉には、どんな意味が込められているのでしょうか。桜木紫乃さんの同名の小説は、認知症になった母親と、それを介護する父親、そして二人の娘とその周りの人々の物語です。五つの章に分かれた連作短編集で、それぞれの登場人物の視点から、家族とは何か、家族とどう向き合うか、家族とどう別れるか、というテーマが描かれています。

家族じまい (集英社文庫)

私はこの小説を読んで、家族というものについて深く考えさせられました。家族とは、血のつながりだけでなく、愛情や信頼、思いやりや責任、葛藤や苦悩、喜びや悲しみなど、さまざまな感情や関係性を含んだものだと思います。家族は、生まれたときから与えられたものであり、選べないものでもあります。しかし、家族は、一生変わらないものではありません。家族は、時とともに変化し、成長し、老いていきます。家族は、いつか別れを迎えるものでもあります。

この小説の中で、私が特に印象に残ったのは、最後の章の登美子という女性の話です。登美子は、八十歳になった妹のサトミのことを思い出します。サトミは、認知症になってしまい、夫の猛夫とともに老人ホームに入りました。登美子は、サトミとは長い間連絡を取っていませんでした。サトミは、登美子にとって唯一の肉親であり、幼いころから仲の良い姉妹でした。しかし、登美子は、サトミの夫である猛夫とは折り合いが悪く、彼のせいで家族との関係が壊れてしまったと思っていました。登美子は、サトミに会いに行くべきかどうか、迷っていました。

登美子の話を読んで、私は、家族との別れについて考えました。家族との別れは、死別だけではありません。家族との別れは、離婚や離別、疎遠や断絶、引っ越しや移住など、さまざまな形で起こります。家族との別れは、予期せぬものであったり、避けられないものであったり、選択したものであったりします。家族との別れは、悲しいものであったり、辛いものであったり、安心したものであったりします。家族との別れは、終わりではなく、仕舞いであると、桜木紫乃さんは言います。終わりとは、流れに身を任せることであり、仕舞いとは、意志を持って行うことだということです。

私は、家族との別れには、仕舞いが必要だと思います。仕舞いとは、感謝や謝罪、許しや和解、想いや願いなど、家族に伝えたいことを伝えることだと思います。仕舞いとは、家族との関係を清算することではなく、整理することだと思います。仕舞いとは、家族との絆を断つことではなく、変えることだと思います。仕舞いとは、家族との別れを受け入れることだと思います。

「家族じまい」は、家族との別れに向き合う人々の姿を描いた小説です。家族との別れは、誰にでも訪れるものです。私たちは、家族との別れにどう対処するのでしょうか。私たちは、家族との別れにどう仕舞うのでしょうか。この小説を読んで、家族との別れについて考えるきっかけになればと思います。