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「この恋が、かなうなら」~切なくてせつない青春の物語~

私は最近、いぬじゅんさんの小説「この恋が、かなうなら」を読みました。この小説は、トラウマを抱えた梨沙が、東京から静岡の高校に二カ月間、国内交換留学をすることになり、そこで出会った航汰との恋の物語です。

この恋が、かなうなら (集英社オレンジ文庫)

この小説の魅力は、何といっても登場人物の感情がリアルに描かれていることです。梨沙は、子供の頃に心から願ったことが叶わなかったトラウマから、本当の気持ちを言えない、他人の目を気にする臆病な性格になってしまいました。そんな彼女が、静岡で出会った航汰に惹かれていくのですが、航汰には幼なじみのみずきがいて、梨沙は自分の恋心に気づいたときにはすでにタイムリミットが迫っていました。梨沙の切なくてせつない恋の葛藤は、読んでいる私も胸が締め付けられるようでした。

一方、航汰は、屈託なく笑う明るく優しい性格ですが、実は自分の将来に悩んでいました。彼は、幼なじみのみずきに恋心を抱いているのですが、彼女は自分のことを友達としか思っていないと感じていました。そんなとき、梨沙と出会って、彼女の料理の才能や素直な笑顔に惹かれていきます。しかし、梨沙が交換留学生であることを知って、自分の気持ちに蓋をしようとします。航汰のもどかしくて甘酸っぱい恋の悩みは、読んでいる私も応援したくなるようでした。

この小説は、梨沙と航汰の恋が、かなうのかどうかという結末が気になるだけでなく、静岡の風景や文化も魅力的に描かれています。梨沙が航汰と一緒に訪れた浜名湖やフルーツパーク、グラニーズバーガーなどのスポットは、私も行ってみたいと思いました。また、航汰が話す遠州弁や、梨沙が作る静岡名物のおでんや桜えびの料理なども、静岡の魅力を感じさせてくれました。

この小説を読んで、私は青春のときめきや切なさを思い出しました。梨沙と航汰の恋が、かなうならと願いながら、最後までハラハラドキドキしながら読みました。この小説は、恋に悩む高校生だけでなく、大人になっても恋の魔力に抗えない人にもおすすめしたいです。