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『桐島、部活やめるってよ』青春の一瞬を切り取ったオムニバス小説【読書感想文】

今回は朝井リョウさんの小説『桐島、部活やめるってよ』について、読書感想文を書いてみたいと思います。この作品は2012年に映画化され、神木隆之介さんや橋本愛さんなどの若手俳優が出演しました。今回は小説の内容に基づいて感想を述べます。

桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)

この小説は、男子バレーボール部のキャプテンである桐島が突然部活をやめたことをきっかけに、同じ高校に通う5人の生徒の日常に起こる変化を描いたオムニバス形式の青春小説です。5人の主人公は、野球部の菊池宏樹、バレー部の小泉風助、ブラスバンド部の沢島亜矢、映画部の前田涼也、ソフトボール部の宮部実果という、それぞれ異なる部活に所属する生徒です。物語は金曜日から翌週の火曜日までの5日間を舞台に、学校や周辺で起こる出来事を追っていきます。

この小説の特徴は、桐島というタイトル・ロールの人物が、物語の中に直接登場しないという点です。桐島は、言動に嫌みがなく、部員やクラスメイトから慕われる「いいやつ」として描かれますが、その人物像は伝聞や噂のみで語られます。桐島が部活をやめた理由も、明確には語られません。桐島の存在は、他の登場人物に影響を与えるものであり、彼らの心の動きを浮き彫りにするものです。

例えば、菊池は桐島の友人であり、野球部のユーレイ部員として部活をサボっていましたが、桐島がやめたことで自分のやりたいことに気づきます。風助は桐島の後輩であり、リベロというポジションに憧れていましたが、桐島がやめたことで試合に出られるようになり、喜びと罪悪感を抱きます。亜矢は桐島とは無関係なブラスバンド部の部長ですが、桐島がやめたことでバスケ部の竜汰という恋心を抱くようになります。涼也は桐島とは別のクラスの映画部の生徒ですが、桐島がやめたことで映画甲子園に出場することになり、中学時代の友人であるかすみと再会します。実果は桐島の彼女の梨紗の友人であり、ソフトボール部のエースですが、桐島がやめたことで自分の家庭の問題に向き合うことになります。

このように、桐島の行動は、5人の主人公にとって、自分の人生における転機となるものです。しかし、それは必ずしもポジティブなものではありません。桐島がやめたことで、彼らは自分の悩みや不安、孤独や苦しみに直面することになります。また、彼らはそれぞれの視点から物語を語るので、他の登場人物の内心については分かりません。彼らは互いに表面的に交わり、本当の気持ちは隠しています。この小説は、青春というものが、明るく楽しいものだけではなく、暗く辛いものでもあるということを、リアルに描いています。

私はこの小説を読んで、17歳の一瞬のきらめきを感じました。桐島という謎めいた人物に惹かれました。彼はなぜ部活をやめたのでしょうか。彼はどんな人生を歩んでいるのでしょうか。彼は他の登場人物に何を伝えたかったのでしょうか。この小説は、読者に想像の余地を残すところが魅力的です。また、5人の主人公にも共感しました。彼らは自分の夢や恋や家族について、悩んだり迷ったりしたりします。私も高校生の頃、そんなことを感じたことがあります。この小説は、青春の一瞬を切り取ったような作品です。私はこの小説を読んで、自分の青春を振り返りました。この小説を読んで、あなたはどんなことを感じますか。ぜひ、読んでみてください。