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椎名誠『われは歌えどもやぶれかぶれ』を読んで感じた老いと生きる意味【読書感想文】

作家・エッセイストの椎名誠さんの最新エッセイ集『われは歌えどもやぶれかぶれ』を読んでみました。この本は、椎名さんの日常と非日常を綴った一冊で、老いてもなお椎名誠ということを感じさせる作品です。今回は、この本を読んで感じた老いと生きる意味について書いてみたいと思います。

われは歌えどもやぶれかぶれ (集英社文庫)

椎名さんは、1944年生まれの79歳。モノカキ人生も40年を過ぎると、体のあちこちにガタが出てくると言います。おかげで長旅はおっくうになるし草野球では長打が打てないし、極悪ピロリ菌や不眠症のせいで若い頃は無縁だった通院が日課になったりします。しかし、そんな椎名さんは、痛飲はやめられず、シメキリ地獄に身を委ねてせっせと原稿を量産し、食が細くなったことを自覚しながらつい大盛りを頼んでしまう、やぶれかぶれのシーナの日常を赤裸々に語ります。

この本には、椎名さんのエッセイが24篇収録されていますが、その中には、昔の旅の思い出や友人との交流、家族やペットとのエピソード、映画や本の感想など、様々なテーマがあります。椎名さんの文章は、独特のユーモアと皮肉、そして自虐と自慢が入り混じったもので、読んでいて飽きません。椎名さんは、自分の老いを隠さずにさらけ出し、それを笑いに変えることができる人です。その姿勢は、老いを恐れる私たちにとって、勇気づけられるものです。

椎名さんは、この本の中で、自分の人生を振り返ります。若い頃に読んだ本や見た映画、旅した場所や出会った人々、書いた作品や撮った写真など、椎名さんの人生は、豊かな経験と創造性に満ちています。しかし、椎名さんは、それらを自慢するのではなく、むしろ謙虚に語ります。椎名さんは、自分の人生に満足しているのではなく、常に新しいことに挑戦しようとしているのです。その証拠に、この本の最後には、椎名さんが今後書きたいと思っている作品のアイデアが書かれています。椎名さんは、老いてもなお、モノカキとして生きることに情熱を持っているのです。

私は、この本を読んで、老いとは何か、生きるとは何か、ということを考えさせられました。老いとは、体の衰えや記憶の喪失、孤独や死の恐怖など、否定的なものとして捉えられがちです。しかし、椎名さんの本を読むと、老いとは、自分の人生を振り返り、それを笑いに変えることができる、ポジティブなものとして見えてきます。生きるとは、自分の好きなことをやり続け、新しいことに挑戦し、自分の人生に意味を見出すことだと思いました。椎名さんは、老いてもなお、生きることの楽しさを伝えてくれる人です。

私は、椎名さんのように、老いてもなお、自分の人生に満足せずに、新しいことに挑戦し続けたいと思いました。そして、自分の人生を笑いに変えることができる人になりたいと思いました。椎名さんの本は、老いと生きる意味について考えさせられる、素晴らしい本です。ぜひ、読んでみてください。