まいにちのひとかけら

日々の暮らしの中で見つけた、小さな喜びや気づきを綴るブログです。

2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【ネタバレなし感想】『君の顔では泣けない』読書レビュー:人生を入れ替わったまま生きる、切なくも温かい物語

皆さんは「もし、心と体が入れ替わったら」という設定の物語を読んだり、観たりしたことはありますか?フィクションの世界では定番のテーマですが、大抵はすぐに元に戻るのがお決まりですよね。でも、もし元に戻れなかったとしたら……。 今回ご紹介するのは、…

打海文三『時には懺悔を』読書感想文|心を揺さぶる社会派ミステリーと映画化の期待

打海文三さんの小説『時には懺悔を』を読み終えました。読み進めるうちに、ただのミステリーではなく、人間の深層心理や家族の在り方に鋭く切り込んだ物語であることを実感しました。本作は1994年に角川書店から刊行され、2001年には文庫化されています。長…

八月の母(早見和真)読書感想文|母であること、娘であること――“八月”が放つ痛みと救い

序章:八月は、母の匂い――『八月の母』を読み終えて 作品の概要:土地の記憶と人の運命が絡み合う物語 母性という“鎖”:善意が生む支配 土地のしがらみ:見えない圧力に絡め取られる 断ち切る勇気:自分の言葉を取り戻すこと 抑制の効いた文体と構成 心に残…

辻村深月『この夏の星を見る』感想レビュー|映画化・「読書メーター OF THE YEAR 2023-2024」ノミネート・「第7回未来屋小説大賞」候補作

辻村深月『この夏の星を見る』は、コロナ禍という未曾有の時代に生きた中高生たちの視点から、孤独と不安、そして星空を通じてつながる希望を描いた青春小説です。読み終えると、胸の奥に静かな温もりと「また空を見上げたい」という思いが残ります。 本作は…